農地法第3条許可

農地法第3条許可についての概要は以前解説した通りですが、平成21年の農地法改正において、農地の効率的利用のために農業への参入障壁を引き下げ、法人による農業参画のハードルが下がりました。これを具現化し、加えられたのが、農地法第3条第3項となります。下記の要件を満たせば、賃貸借契約に限ってですが、農地法第3条許可が出されることになりました。

特に、法人が農業に参入する場合、解除特約付賃貸借契約は検討する価値があります。農地所有適格法人でなくとも、農業に参入することができ、且つ全国どこの農地でも賃貸借することができるからです。

農地法第3条第3項 許可の要件

農地の権利取得者が、全ての農地を効率よく耕作することが出来るか?
  1. 農業に必要な機械・機具を有しているか?(リースでもOK)
  2. 農業経営に必要な労働力を有しているか?
  3. 農業経営に必要な技術と経験を有しているか?(新規就農者については適用外)
  4. 居住地から耕作地までの距離が、農作業をする上で支障にならないか?
一定の面積を耕作すること(下限面積) 権利取得する農地と現在所有又は利用権が設定されている農地とを合わせて50アール(5000平米)(北海道においては、2ヘクタール(20000平米))以上あるか?

※市町村によっては別の基準が定められている事もあります。

地域との調和性 耕作事業の内容や農地の位置・規模などが他の周辺の農地利用に悪影響を与える事にならないか?
地域における適切な役割分担のもとに農業を行うこと
  1. 集落での話し合いに参加するか?
  2. 農道や水路の維持管理に参加するか?
解除特約付の使用貸借契約または解除特約付の賃貸借契約を締結していること 農地を適正に利用していない場合に、契約を解除する旨の特約が付されているか?
継続的・安定的に農業経営を行うと見込まれていること
権利を取得する者が法人の場合、役員の1人以上が農業に常時従事することができること 常時従事日数は、年間150日以上か?(原則として)